また正月を迎えた。2025年もいろいろなことがあった。でも、なんとか生きてる。その「なんとか」を綴ってみたい。
1.さらば入試委員長
3月末で入試委員長を退任した。特に任期があったわけではない。「長くやるといろいろあるので」と校長が言うので、「わかりました」と素直に辞任した。やるべきことはまだあった。でも、これも神様の粋な計らいだと直感して頭を切り替えた。教員は授業を持ってなんぼのものだと気持ちを入れ替えた。
2.学年に入る
3年ぶりに学年に入る。いきなり担任は無理なので、学年付を希望した。ところがこれはこれで仕事がたくさんある。まず授業が17時間になった。16時間を超えるのは、県立高の教員となった時以来だ。授業は全部4階のクラス。1日4時間の日は膝痛で苦しむことになった。
また、強制的に文化祭の実行委員となり、喫茶(=飲食物提供)係になった。私も含めて教員3名なのだが、ひとりはあまり日本語が通じない外国人教師、もうひとりは時短勤務中で全く協力してもらえない。結局、私ひとりですべてを回すハメになった。
「貧乏くじを引く」とはまさにこのことだ。後述するが、この時期部活にも行けなくなり、息子の大切な大学受験にも付き合えなかった。「俺は大事なことがあるときは、いつも運がないんだ!」と落胆しながら、目の前の仕事に過剰すぎるほどのエネルギーを費した。
3.息子の大学受験(志望校決定編)
息子が高3になった。中学に入学して、バスケットボールを始めたことに感動していたことが、ついこないだのように思われる。そんな息子がもう大学受験の年を迎えた。早いものだ。よく考えたら、この5年間は部活動ひとすじ、というほど熱心ではなかったけれど、バスケットボール三昧。英語や国語の勉強はどこ吹く風だ。悪名高き私文コースを選択して、辛うじて英語、国語、世界史の授業は受けてはいるが、定期試験も模擬試験も成績はかなり低空飛行だった。
そんな息子の大学受験(勉強)の始まりは、部活動の引退が決まった6月中旬だった。まず妻が何とはなしに大学の学校案内を取り寄せ始めた。息子自身の希望があったわけではない。ただただ名のある大学や、写真映えのよい大学のパンフレットを集めている。そのうち私もいろいろ知りたくなって、40校ぐらいの大学案内に目を通してみた。
すると、そこで一つ気づきがあった。大部分の私大は、いわゆる「年内入試」というやつで定員の半分近くかそれ以上を埋めてしまうということだった。息子は学校の指導で共通テストは受験するが、国公立志望ではないので、年内に私大の合格が取れれば、どんなに気楽に一般入試に臨めるだろうか。どんなに経費の節約になるだろうか。こんな効率の良い受験はやってみる以外に手はないだろう、ということになった。
息子自身も、まず志望校をどうするかで迷いがあったようで、7月初旬にいきなり「どうする?」という相談を受けた。息子の模試の偏差値は国英社3教科総合で42~50程度。英語が相当よくない。国語は55以上あり、これで稼いでいる状態だ。
まず、「地元の大学か県外の大学か」の希望を尋ねた。「東京の大学に行きたい、入れればどこでもよい」という。「東京だけでは選択の幅が狭いから、もう少し広げて欲しい」と要望したら、「旅行し慣れた京都もいいかな」という。東京と京都、関東と関西なら十分選択肢がある。
次に、「絶対に行きたくない大学はあるか」と尋ねた。「地元のT大学には絶対に行きたくない」と言う。それで、地元のT大学よりも偏差値の高い「東京か京都」の大学に絞ることにした。目標は高くないと伸びないので、まず偏差値45~55くらいの幅にあるいわゆる「日東駒専」や「産近甲龍」(C~E判定)を目標にして、それより合格しやすいらしい「大東亜帝国」(A~B判定)レベルは絶対に受験しない方向で検討することにした。
4.息子の大学受験(TK大OC編)
私立高校で入試や生徒募集に関わり、そのからくりを知る身からすれば、大学案内ほど信じられないものはない。まずとにかく、実際に大学そのものを見なければならないと強く思った。そこでまず、7月下旬にOC(オープンキャンパス・入試説明会)が設定されているTK大に行ってみた。ちなみに今どきのOCは予約定員制であることを知った。
TK大は東京西部にあり、実際の距離感を知るために、お茶の水の東京ガーデンパレス(私学共済の宿)に前泊して電車で行くはずだった。しかし、暑さには適わず思わず車を出すことになった。首都高から中央道に繋がる道を果てしなく走るが、途端に渋滞となって30分の予定が1時間半になった。大学周辺に到着するも、今度は駐車場がない。最寄りの駅周辺に駐車してそこから15分程度歩いた。
歩きながら色々なものを見て考えた。まず実際この大学に通うには、駅から長い距離を歩かなければならない。歩いてみたら坂もきつい。大学周辺は住宅地に畑ばかり。駅周辺に行かないとちょっと寂しい。よく見ると、同じように歩いているOC参加者の高校生たちが、ちょっとだらしない。会話も少しアレかもしれない。同伴している保護者がほぼいない。ウチって過保護なのか?
単科大学なので敷地がこじんまりしている。迎えてくれる学生は賢そうだがややおとなしそうにも見える。学食は昔風で美味しそうには見えない。建物内が薄暗い。何だか参加者の中にコスプレまがいの服装で参加している生徒がいる。
入試説明会に参加。非常にわかりやすい説明で好感が持てたが、気になる点がいくつかあった。まず、参加者の意欲。300人収容の大教室に100人程度が入場していたが、前の方に座っているのが私たち親子も含めて大人(保護者や学校・塾関係者?)ばかり。参加者の生徒はほぼ最後列付近の座席に着席している。彼らは何をしに来ていたんだろうか。
説明の中でまた一つ発見。「志願者数」のからくりだ。学部・学科を併願した場合は、それぞれの学部・学科で「1人」とカウントする。つまり「志願者数」というのは「のべ人数」なのだ。学部・学科間の併願受験料を安くしたり無料にしたりすれば、みんなが併願掛けて、見た目の「志願者数」は増加するという巧妙な仕組み。そんな仕組みの説明はどこにもないから、知らない人からすれば「高倍率」に見える。
というわけで、この就職実績は抜群というTK大は、いちおう「志望校」だが「受験校」にはし難いなあと思った。息子自身はそう悪い印象でもなかったという。
【次に続きます】